ひとりごと。
いつだって太く強く支えてくれた存在が
ボキッと折れてしまう
そんな時、私は体のほとんどを失ったようなかんかくになる。
強くて大きくて美しい、愛する木の頭の上にはいつも雲があった。根付いた木は、もう逃げることなどできなかった。
雲はもくもくと大きくなって
やがて黒く濁った雨を降らせる
濁った雨が木の芯を通り、根に渡る。
雲はとどまることなくどんどんどんどん成長し、
黒い雨を降らせ
やがて私たちの太陽を殺した
黒い水が木をぬらし、芯を、根を腐らせる。
そんな木に私はハンモックをかけて眠りについた。
どこよりも安心できるから。
大きな木はドクンドクンと音を立て大地を揺らす。
そしてズキンズキンとひび割れて、
キズから流れ出た濁流が私を飲み込んで
私は溺れながら
遠くの方で大きな木の真ん中がボキリと弾け折れ、黒い海に沈むのを見た。
そして私も、
根よりも深く沈んで、化石の横を通り過ぎ、ブラジルを過ぎてもまだ深く、下へ下へ沈んでいく。
たどり着いた先ではグルグルチカチカシクシクガシャガシャブルブル。息を吸っても空気は入ってこない。息を吐いても体から出ていかない。吐きたくても、吐けない。枕はいつもぐしょぐしょで、音や声はノイズに化けて頭痛とめまいを呼び起こす。手足が痺れ、身体の居場所がない。
喉元過ぎたはずの痛みがまた私の前に現れた
もう楽になりたい
おやすみじゃなくてさようなら。
まだ見たい夢がいっぱいあるのに。
地上に浮いてぬか喜んでまた沈む。
こんなのもう終わりにしてしまいたい。
まだ会いたい人がいるのに。
まだ離れたくないのに。
手を握ってもハグをしてもなにしても
遠くて、さみしくて、たまらない。
もう死んでしまいたい
まだ生きていたいのに。。