私はどこ?
食べる事、夜寝ること、朝起きること、着替えること、今まで大好きだったことをすること、テレビをみることも音楽を聴くことさえもできなくなり、ついに神経科に行きました。私がうつになってから、騒がしかった我が家は信じられないほどの沈黙に包まれていきました。
強烈な疲労感や脱力感、吐き気がするのになぜか吐くことはできない。嘔吐恐怖症にもなっていきました。常に誰かを肩車しているような異常な肩こりと地面に吸い込まれてしまいそうなほどの眠気、座っているのに息切れして、何かの拍子に襲ってくる過呼吸に耐える日々。
いつ過呼吸やあのなんとも言えないザワザワが襲ってくるかという予期不安にも怯え、大好きだった映画を観ても、感情移入し過ぎて胸がいっぱいになり、苦しくなって観ることもできない、小さい頃から好きだった絵も描きたいと思えなくなりました。
楽しく会話している人を見るたびに、どんどん世間から置き去りにされ、同じ夢を追いかける仲間たちがどんどん成長する姿を見て、自分だけ時が止まってしまっていて、水の中で息をするような呼吸を続けているうちに死にたい、どこかに消えてしまいたい。そう思いました。
しかし、どうやって死のうかと思うたび、母や父、兄の顔が目に浮かび、離れたくないよ、さみしいよ。と、思いとどまることができていました。
家のカウンターテーブルに吊るされたラベンダーの詰まったカエルの飾り物、その意味は大事な人が無事帰る、〇〇がかえる。みたいな縁起物。私はそのカエルを両手で包み込み、毎晩泣きながら帰ってこい帰ってこい私、帰ってこい。と心の中で叫んでいました。
昔の私。自由で感受性豊かだった私。
不器用な手つきで爪に塗った紺色のマニキュア。
それを見ただけで満天の星や天の川見ることができて、宇宙飛行士にだってなれた。ラベンダーの香りを嗅げばラベンダー畑に飛んでいき、波の音を聞けばすぐにタヒチに飛んでいけた私。なにもかも、全てになりきれた私よ戻ってこい。
この会社はかつての私のようになんでも自由に表現したり、なににでもなりきれる場所、私の象徴です。
私の夢や想いを誰かに押し付けたり、そんなつもりはありません。
この会社はとってもとっても自由です。(犯罪とかは別にして…)
会社見学中、みなさんが少しでも嫌なことを忘れたり、時間を忘れたり、クスッと笑えたり、暇つぶしをしたりできたらいいなと思います。
今後この会社は、社長の体調と相談しながらですが自由に大好きだった絵を描いて載せてみたり、夢を語ってみたり、思いをつづっていこうと思います。
それに対してどんないいことでも、悪いことでも、コメントをしなくても、じっくりと文字を読まなくても、なんでもいいので、なにかしら意味のあるものになればいいなと思います。